2013年12月出版
2013年12月出版

晩期合併症とは治療を開始後すぐから、数ヶ月以上してから起こる副作用のことです。

小児がんが治る病気になるにつれ、小児がん経験者が学校生活や就職、結婚といった通常の社会生活を送る上で、治療によるさまざまな合併症が問題となることがわかってきました。2012年12月に開催された「小児がん経験者大会」でも、多くのAYA世代のサバイバーが訴えていました。※1

 

具体的には、身長の伸びなどの成長障害、ホルモン分泌などの内分泌的障害、学力などの神経学的な障害、心毒性、呼吸障害、腎障害、肝障害、消化器障害、聴力障害、視力障害、皮膚の異常、脱毛、筋肉の異常、骨の異常、歯牙の異常、大腿骨頭壊死、免疫力低下(易感染)、二次がんなどです。

 

 そのため、もともとの病気の治療が終了しても、長期的なフォローアップが大切で、日本でも「小児がん治療患者の長期フォローアップとその体制整備に関する研究」は、平成19年度の厚生労働省・がん臨床研究事業の1つとして選択され、国をあげて体制作りが進めら、平成24年12月に、JPLSG長期フォローアップ委員会長期フォローアップガイドライン作成ワーキンググループによる「小児がん治療後の長期フォローアップガイドライン」が発行されました。

 

 

※1 小児がん経験者大会

2012年12月、日本で初の小児がん経験者によるシンポジウムが開催されました。

企画:小児がん共に生きるみらい企画委員会

小児がん経験者による企画

小児がん経験者をはじめ小児がんに関わる方たちの意見を通して、その思いや問題を共有し、小児がんを取り巻く環境を作り上げる場としていきたいと企画されました。